放課後の魔術師4

夏休みということで、海あり、花火あり、温泉有りと充実のイベント満載の4巻。

少女マンガばりに描かれた、遥の微妙に揺れる乙女心を読んでると、いつも片思いの切なさに胸が締め付けられた若かりし日を思い出して、キュンキュンしてしまう。

(ごめんなさい。うそです。エヴァのTシャツ着て高校行ってるような日蔭者でした。)


なにより、後ろ向きにならないのが現代っ娘の特徴というか、恋のライバルが現れても卑屈にならず、明るく前向きに安芸へアプローチする遥や、恋のライバルなはずなのに仲良しになったベルとの交流は読んでて気持ちがいい。
そして、一番たちの悪い絵里子と仄香の近親愛コンビも、「私達のどこが悪いの」と言わんばかりの自信たっぷりな二人の言動や行動には笑ってしまう。

≪『弱みを握られた男はいくらでもつけこむ隙がある』これはケーキのゲームを始める前に理事長先生が私達に教えてくれた「いい女になるための法則」の一つだった。理事長先生が志向する「いい女」には若干の精神的偏りがあるように思えてならないのだけど、今回は効果ありのようだ。≫

この一言が「放課後〜」の女性キャラの肉食度を端的に表していて興味深い。

それに、いつもより多めのイラストやラブコメ度に読んでてニヤリ。

夏休みの出来事のワンエピソードごとに、夏休み明けの遥と安芸のデート当日の心情を、朝の目覚めから出会うまでの構成となっているのだが、少しずつ進む二人の仲もとうとうここまで来たか、と「9月5日」のエピソードを読んでいて思ったら、やっぱり「朴念仁人類代表」の安芸先生。期待通りの展開でした。

≪「安芸様、本日のご予定は?」
 「うん、播機さんと買い物」
 なんと!≫

香音の驚きも直後の安芸の発言によってぬかよろこびとなるわけですが……。

なんとなく気になってるくせに、その感情にきづいてない安芸と、どんなアタックも肩透かしをくらうけど、それでもめげずにがんばる遥。

その食い違いが生む笑いをラストまで楽しみたいです。

5巻は本編に戻るそうだが、鏑木君?の出番はまたあるのかな?
案外、好きなキャラです。