神様のメモ帳1

最近はなかなかまとめて読む機会がない。

で、ようやく読んだ感想は一言で言うなら「魂の平穏を求めてさまよう者たちの物語」だ。
引きこもり気味の高校生ナルミの出会ったニート達は、一見すると社会のつまはじき者に思われる。

しかし、一度目的意識を持てば、たちまち誰よりも勇猛果敢に真実へと突き進む。

その凄まじさは、ダムの決壊を感じさせる勢いだ。

「君は僕の道具だ」

アリスのこの一言がナルミの心にも推進力をもたらし、悩んだ末に行き着いた場所は、天国でも地獄でもなく……虚無の世界だった。

そこに何を見出すのか……読んだ自分にもよくわからなかった。いつもふわふわと不安定で落ち着きのない世界。何が正しくて、何が間違っているのか。生きていく上で本当に必要なものは何なのか。

正解のない物語。読み終えた後に残るものはない。だが、その答えは自らの日常に隠されている。

神様のメモ帳 (電撃文庫)

神様のメモ帳 (電撃文庫)