お・り・が・み1 2 3
分量としては、それほどでもないので一気読み。
良くも悪くも、今の林トモアキにある毒々しさというか、蛇のようなねちっこさがなくって、さらっとした文章は、ちょっと物足りない。
要所要所で感じるものはあるが、今ほどではない。
逆にいえば、この作品を通して自分のスタイルを確立したと言えるのかも。
そう考えれば、成長の過程を楽しめる。
挿絵の使い方も、あまり見ないやり方で迫力がある。
で、各巻ごとの感想を。
一巻
上記のように、まだまだあっさりしているが、所々ネジの外れたキャラクターがいることで、多少の無茶も受け止められる力強い表現が物語を盛り上げてくれている。
≪「無理、無茶、無謀は……大好き!」
笑ったままのみーこがかっと目を見開いた。≫
今後の「お・り・が・み」がどういう方向に進むのか、この一節を読んで納得
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≪「ご主人様?あなたは……?」
半ば怯えるような少女に、貴瀬はいやらしく瞳を細めて見せた。
「言ったはずだ。俺は悪だと。残念だったな、鈴蘭」≫
貴瀬の過去と関東機関を描いた2巻は、徐々にみーこや神殿協会についても明らかになっていくが、それでも貴瀬のターン!
悪の華を咲かせ続ける彼のピカレスク精神あふれるニヒリズムに富んだ台詞にはこちらもニヤリニヤリ。1巻は、説明に一杯一杯な部分が多少見られたが、こちらは驚きの冒頭に始まり、鈴蘭の学生生活や魔人の暗躍など盛りだくさん。
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これで第一部は終わり、二部へと移るわけですが、ここでは貴瀬家の魔人達も大活躍?
その一部がこちら
≪「でも、あのねイワトビー……ドクターの作ったものって
あんまり信用しない方が……いいかなーって、私思うんだけど……」
「げぎゅる……ぎええぐ、ぎゅるる」
心配するな鈴蘭……お前はまだ、葉月の雫という男を知らないだけだ。
「え?そ、そう?うん……じゃあ……」
鈴蘭は部隊長に向けて頷いた。彼はまだ信じられない様子ながら、ハッチを開けるように指示。吹き込んでくる寒風にV字のトサカをなびかせながら、イワトビーはゆっくりと歩みを進めていく。
「ぎうぐるぎゅるえっく、げぎぐう」
この私に大空を与えてくれたお前に感謝しよう
鈴蘭は少し胸を熱くしながら、頷いた。
「うん、頑張ってね……」
そしてイワトビーは恐れることなくハッチからダイブ。≫
この続きが少しでも気になったら、今すぐ一巻から7巻まで書店でお求めすることをお薦めいたします。
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ちなみに、「まいじゃ〜」での感想もはっときますので、参考にどうぞ。