末代まで!

タイトルだけは知っていたが、全くチェックしてませんでした。
表紙がこれまでのラノベ作品に見ない形だったので、思わず手に取り、凝視。

ふつうは帯をつける為にあまり主人公の顔やタイトルを下部に配置することはないのですが、これはヒロインの顔が所狭しと幾つも出てるため、あえて帯の裏にセリフ込みでの顔を描いている。

しかも驚いたことに、イラストも作者という事実に驚愕。これまでにそんな作品あったでしょうか。(あったらすいません)経費削減?かと思ったら、作者が漫画家としての修行もしていたからこその荒技。

ま、それはそれとして内容ですが、軽くて面白い。さくっと読めちゃいました。キャラ設定はシンプルに見せつつも、しっかりとした背景を要所にちりばめ、奥深さを感じさせます。さらに悪人らしい悪人が一人も出ないことも自分的には好印象。

みんなそれぞれの事情で生きていて、ただお互いの譲れないものが食い違ってしまっただけ。お互いの面子を賭けて戦うにしても、老婆走を通して競い合うことで、少し分かりあえた三号とリサの二人はこれからどうなっていくのか。ていうか、お岩さんがヒロインなんですけどね。


≪「……霊能って、ファンタジーですからね」≫

これが作品の根幹にあるものだと思います。
科学だ何だとやたら暴き立てるよりも、ただそこに在るものを受け入れる。それだけあれば十分だと伝えてくれるこの一言。



最近は、めったやたらと設定に凝った作品が多い中で、シンプルに読ませてくれる「末代まで!」お薦めです。

ここのブログは、しっかりとした感想を書いてるので
いつも参考にさせてもらってます。
http://d.hatena.ne.jp/bluets8/20091104