さくら荘のペットな彼女1 2
≪「たかだか進路調査もあんた見ていると意味があるような気がするわ」
「は?普通は無意味ってこと?」
「『とりあえず進学』って書かない生徒を発掘するためにやってんのね、きっと。教師が張り合いを感じるためにね」
「はあ……」
「大人になればわかるわ。『とりあえず』に続く言葉なんて『ビール』だけで十分」≫
一巻はここ!千尋先生のこの一言に尽きます!いや、もっと見どころはあるんですが、三十路間近の自分としては、やはり年代が近い人の言葉がしっくりくるようで。確かに、大人になると『とりあえずビール』だもんな。結局、≪とりあえず≫って妥協の一言だもんね。大人になってからはそんな場面はいくらでもあるけど、やっぱり若いうちは悔いのないよう、やりきって欲しい千尋先生の気持ちが籠った言葉ですね。
2巻は浪花節な純情少女、声優を志す同級生の青山七海の関西弁にキュン!
≪「今日のために準備してきてん……それ台無しにしてもーて、こんなん意味あらへん……こんなことのためにやってきたとちゃうのに……ちゃうねん、ほんまに……もっと、ちゃんとやれる思うててん……思うててんけど……ほんま、アホや……ウチはアホやあ……」≫
普段、標準語でひたすら空太達を叱りつける七海が見せる地の姿に堪らない愛しさを感じてしまいました。感情の昂りを表す関西弁は、今後も彼女のトレードマークとして物語に彩りを添えてくれるはず。
本編にはほとんど触れてないですが、青春群像劇としてとても楽しめました。恋って何なのか……。それを知りたい方は絶対に読んで下さい!
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