菜々子さんの戯曲 ”Nの悲劇と縛られた僕”
期間限定でネット配信されたこの作品は、
非常に好き嫌いが別れるんだろうな、と感じました。
激しいアクションや特殊能力のない平凡な世界の中で
繰り広げられるロジックに、引き込まれるか、引き上げるか。
自分は前者でした。
小学生から中学生に変わる微妙な年齢と言うが、それは大人視点。
当人たちは全然微妙でなく、むしろ毎日を生き残る為に必死なのです。
子供どうしの陰湿さや残酷さをドライな視点から描き上げた内容は、一人称ながらも引いた目線だからこそ分かる不条理さに、読んでて時折苦痛を感じてしまった。
しかし、描写はリアリティに溢れ、自分の少年時代を思わず回想してしまう生々しさがあった。
そのリアルさが知らず知らず「自分は多分OOだなぁ」とクラスメイトを自分に置き換えて読んでしまわせるものが…。
でも、意外に後味がスッキリしてて良かった。
(ちょっとゆがんでいるけど…)
“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)
- 作者: 高木 敦史,笹森トモエ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/07/31
- メディア: 文庫
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