恋する鬼門のプロトコル  レンタルマギカ 白の魔法使い

恋する鬼門のプロトコル

方向性が、ラブコメなのか、伝奇ものなのか、少々ぶれているように感じた。話の作り方は、主役二人の一人称が交互に展開されるもので、これは非常に面白い。AとBが同じ状況でのすれ違いや共感が巧みにちりばめられてて、じれったさの中のおかしみを楽しめた。

<「……とにかく俺はお前に触ると、どうにかなってしまいそうなんだ。これから俺に触れることがあったら、あらかじめ声をかけてくれないか。心の、準備をしたい」>

主人公である和泉葉介のセリフなのだが、これもヒロインのたまも視点だと、ときめきの場面。しかし葉介視点になると、途端に残念な方向へ…。

キャラそれぞれの特徴が出てる文体も、読んでて嘘っぽさを感じさせない、面白さがあった。

ラストは多少、無理矢理感が否めなかったが、個人的に好きな作品。あまり売れ線という気配はしなかったけど、続きは出てるのかな?この後、調べてみよう。

恋する鬼門のプロトコル (電撃文庫)

恋する鬼門のプロトコル (電撃文庫)

おお、3巻まで出てた!


レンタルマギカ 白の魔法使い

霧の都、倫敦へと再び訪れたいつき達だが、冒頭から物語は
二転三転と、想像もつかない展開へと転がっていった。

<逆転につぐ、逆転
 反撃につぐ、反撃
 仕掛けられた陥穽はひとつにあらず、堕ちたと思われた者たちさえも、すぐさま敵方の足首を掴み返す。
 いまの状況は、目まぐるしいという一語しかあるまい。>

面白すぎる展開。一触即発の状態になったオピオンと協会の間を渡り歩くアストラルの面々の丁々発止。それにしても、3部になってからのいつきは、恰好よすぎてビビる。
戦闘よりも、心理的駆け引きに注目のクライマックスは驚きの引きで次回へとつながる。
アディはちょっとしか出番なかったけど、次はきっと華麗に活躍してくれることでしょう。