変態王子と笑わないねこ1〜4

10月のLNFにさがら総さんがゲストとして登場するとのこと。

そういうわけではないのですが、久しぶりに前評判とか調べずに勢いで読んでみました。


1巻
<「聞いてくれ!バーバラさんはただの抱き枕だから!」>

<「……今すごく大事な予定が入ってるんです。クリスマスイブのトナカイよりも大事な用なの。見逃してくださいませんか」

「くださりません。あなたに付きまとっているこの腐れ害虫で女の敵の変態を隔離できる口実にもなるんだから、ありがたく思いなさいな。生徒指導室へ急ぎましょう」
「いやあああ!」>


2巻
< また助け船を出してくれないかな――。と優しい筒隠に期待してみたら、彼女は手元の 空になったペットボトルをそうっとこちらへ差し出してきた。
 「すみません、先輩。今夜はここでお休みになってください」
 「この容器で何をしろと!?この状態で寝ろと!?」>


3巻
<「――すごくずるい、ルール破りの悪女さんの匂いがするのです。
 なんだか、とても、いやなのです」>


4巻
<「――ああ、新しいお面、それにしたんだ」
 彼女が被っているのは猫のお面だった。なんだか妙に愛嬌のある顔をしている。
 猫の顔をおさえて、女の子は招き猫のポーズをとってみせる。
 すこぶる控えめに、だけども。
 彩飾に使われるのは、夜空から降る月光のスポットライト。
 幻想的な淡い光に照らされて、神様のショーウインドーに飾られていそうな
 佇まいだった。
 「……すごく似合ってる。前のより、よっぽどいい」>


建前でしか話せない主人公、横寺陽人が本音を手に入れたくて森に鎮座されている招き猫に願いを叶えに行ったことから物語は始まり…。そこで出会った後輩の筒隠月子、部活の先輩・鋼鉄の王(女)、同級生・小豆梓の3人とともに、招き猫が引き起こす騒動に巻き込まれてしまう。



全編通して、作者のセンスある小ネタが随所に光るかけ合いが笑いを誘います。

新しいけど懐かしい感じがするお話展開は、何回も読みたくなります。表情を失ったり、本音を奪われたりと、結構重い話なのにそれを重苦しく感じさせない軽やかさが楽しめました。

おすすめです。

変態王子と笑わない猫。 (MF文庫J)

変態王子と笑わない猫。 (MF文庫J)

変態王子と笑わない猫。2 (MF文庫J)

変態王子と笑わない猫。2 (MF文庫J)

変態王子と笑わない猫。3 (MF文庫J)

変態王子と笑わない猫。3 (MF文庫J)

変態王子と笑わない猫。4 (MF文庫J)

変態王子と笑わない猫。4 (MF文庫J)