鋼殻のレギオス20 デザイア・レポート

閑話休題

<「『乙女的なトキメキ』というものはどういうものでしょうか?」
 「は?」
 「いくつか恋愛に関した嗜好書籍を読みましたが、それがうまく理解できません」

          中略

 「繁殖の準備が整いつつある肉体に精神が適応するために発症している混乱症状というこ とでしょうか。反抗期と同じく」
 「発症って。病気じゃないし、いや、でも、ま、まぁ反抗期と比べるなら、思春期ってい うし」
 「思春期。そう、これが思春期なんですね。なるほど。反抗期が親からの独立の精神的準 備期間、思春期は異性との繁殖行為を行うための精神的準備期間だと、そういうことです ね」
 え、えと……うん、そう、だと、思う、よ」
 負けてる。ミィフィは焦った。
 完全に勢いに負けている。
 変な人のようだとは思っていたしそれなりに準備もしてきたつもりだったけどまさかこれ ほどとは。>

こんかいは短編集。深刻な本編とは打って変わって、レヴァンティンことヴァティ・レンの人類観察レポートをメインに普段あまりスポットの当たらないキャラに焦点を当てています。

ヴァティが学園の人達との交流を通して「人間」を問う、内容のコミカルさとは裏腹に問いかければ問いかけるほど、その言動に戸惑う人間たちとのちぐはぐさが楽しめる一品となってました。

真面目なヴァティにおかしみを感じずにはいられなかったです。
息抜きの一冊として最適でした。最後は次巻への伏線的なものも少々ありましたが、おもしろおかしく楽しめます。