レジンキャストミルク2

著:藤原祐のほのぼの×ダークな新感覚学園アクションノベルと銘打たれた作品であり、全8巻 外伝2巻 計10巻で完結しています。

以前、ヤフオクでまとめ買いした時に外伝がおまけでついたのがきっかけで読んでみたわけですが、外伝がのほほんとした、まったり学園ものに対して、本編はシリアス色がかなり強かったです。

異能の力を、本意、不本意に関わらず手に入れてしまったことである種の感情や感覚を欠落してしまった登場人物達のずれた言動にクスリとしつつも、時折垣間見える、真実を打ち抜く言葉にハッとさせられたり、ゼロサムゲームの中で平凡な毎日を守ろうとあがく主人公の過ごす毎日が穏やかなものであればある程、敵との救いようのない戦闘が切なく感じてしまいます。



お気に入りのシーンは、負傷した晶を担いだ殊子が同じ異能力を持つネアに治療して貰う為に保健室に連れて行くシーンが面白かったですね。敵に不意打ちを食らい、幼馴染をさらわれ、しかし怪我で動けず、という三重苦を何とかしてもらおうと治療に向かったのに、ネアが実は血が苦手で怪我した晶を見たとたんに失神してしまう。え!?こんなシリアスな場面でギャグありなの!?と思わず思考が停止してしまった。

穏やかな日常かと思えば、突然シリアスな非日常になったり、油断できない非日常かと思えば合間にギャグが入ったり、陰と陽の振れ幅がギャップになって楽しめる作品です。

すでに完結している作品なので、春休みに一気読みしてみてはいかがでしょうか?



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