パララバ  文学少女と月花を孕く水妖

久しぶりに新作を読みました。「パララバ」、これはタイムリープものが好きな方には絶対に読んでほしい作品です。構成もよく練られていて、「携帯電話からこんな風に世界を広げられるのか」、と驚いた。まだ見ぬ想い人とのすれ違いは読んでて切なくなる、はかない恋の物語です。

昔、「アウターゾーン」という漫画で黒電話で過去の持ち主と通話できるようになるお話があったが、これはそのテイストを匂わせつつも、現代を舞台にオリジナリティあふれる作品になっている。本人もあとがきに「高畑京一郎先生の[タイムリープ]を読んだ時の衝撃を今でもまだ覚えています」書いているが、確かにそう言われると、そのような雰囲気も……。しかし、それでもこの作品の質が損なわれるということはないし、むしろ合わせて読むと、もっと楽しめるはずです。

自分がライトノベルにはまったきっかけは、忘れもしない15の夜、「タイムリープ」を読んだ時からです。今もたまに読み返すのですが、やはり面白い。どちらもSF好きなら楽しめます。あわせて、「夏の扉」なんかも読むとタイムリープものに対する幅が広がるかも?

画は「お稲荷様」に似ていますね。

パララバ―Parallel lovers (電撃文庫)

パララバ―Parallel lovers (電撃文庫)

文学少女」6作目。今回は2巻の後に起こった出来事をまとめた特別編。避暑地の別荘に残された呪いを「文学少女天野遠子がどう解釈するのか。心葉との三歩進んで二歩下がる微妙な恋模様にやきもきしながらも、手をつないだりする描写があるだけで、年甲斐もなくはしゃいじゃう自分が「ああ、大人げない」と思わずため息が……。それでも、泉鏡花を扱っている描写に、記念館に行ったりしてるミーハーな自分としては、思わず「そうそう」と同意したり、「おお、そうくるか」と思ったり……。しかし、ちょっとグロい描写なんかもあったりして、耽美の道は険しい、と感じたり……。

巻末のモノローグに次への伏線か?と思わせる内容があったり。早く次巻を!。
てなわけで、多分次は「文学少女」完結編を。ああ、楽しみ楽しみ。

“文学少女”と月花を孕く水妖 (ファミ通文庫)

“文学少女”と月花を孕く水妖 (ファミ通文庫)