学校の階段8,9

やばい!やばすぎる!想像以上の展開に驚きを禁じえません!
7巻でおあづけになってた山上との階段レースを主軸に巻き起こる人間ドラマ。
羽佐間君の心の闇に潜む救いの声
いずみとの隠された関係
御神楽と羽佐間の許嫁の真相は?
そして、その後の前生徒会への送別会と称したクリスマスパーティでの騒動
と、なんだか予告風になりましたが、巻を進める毎に成長する缶バッチに
熱くなってしまう。

神庭は一体何処へ向かうんだろうか。刈谷の言う「茨の道」がどう繋がるのか、
その行き着く先はいったいどこなのか。

意外だったのは、生徒会長選挙で魔性の女を演じていた御神楽さんが、とっても
魅力的な女の子に変わってきたのに驚いた。最初は単発キャラだと思ってただけに、
クリスマスパーティでの参戦にワクワクしてしまう。三島さんも頑張れ!


9巻では新年早々の筋肉研究会にがっつり食いついてしまう。
どこにあんな引出があるのか?季節の風物詩になりつつある彼らが時間ではどんな
演出を見せてくれるのか、一度、生で大会を見に行ってみたいですね。
もう一つの見どころです。

ちょっとネタばれ
 
そして、部員の威信をかけた階段部次期部長決定レースは、だれ視点から進行するのかと
思ってたら、一応、全員の特訓の様子がそれぞれの視点から描かれているが、
レースが始まったらなんと井筒視点!

彼の抱える九重に対する想いや階段部にかける情熱や青少年の泥臭さとひたむきさを
見せたレースには、こう言っては失礼かもしれないが凡人の目指す理想形がそこにあった。

他の誰でもない、井筒から見た階段部だからこそ、変にひねくれておらず
素直に結果を受けとめて読むことができた。

だが、それに対して明らかになる神庭の押さえられない衝動。階段の先に見えるものとは
何なのか。次巻の行く末はお互いの壊し合いになってしまうのか?
無事に卒業を迎えられそうもない彼らの結末が楽しみでしょうがない。


でも、だからといって恋愛パートも読み逃せない。
バレンタインを通して明らかになる神庭の恋愛多角関係に、非モテを地で行く自分は
自身の高校時代を思い出し、暗闇の雲がモクモクと背後に……

対照的にそんなに参ったように見えない刈谷とバレンタインチョコの関係には
あまりのクールさに悔しさを越えて、苦笑してしまう。


「終りの始まり」がいよいよ始まる。

学校の階段」がこんなに面白いとは半年前は想像もしなかった。
これは、裏「バッテリー」だ!誰が巧なのかは謎だが……。

学校の階段8 (ファミ通文庫)

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学校の階段9 (ファミ通文庫)

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