ミスマルカ興国物語  星アラベスク

昨年の評判を維持して、最近マンガ家もされたということで
まとめて三巻まで借りてきた。

「おお、落語的」、これが第一印象。
巷の作品に比べて比較的少なめの人物の心情描写をテンポの良い言葉のかけ合いで読ませる
文章は声に出して読んでも面白いかも。

物語は評判を聞いてて大体理解していたが、なるほど確かにその通りだ。
圧倒的武力を持つ大国同士に挟まれた小国がはったりだけで生き延びる様は、
「三匹のこぶた」を思い出した。
(三匹のこぶたってそんなに言葉遊びしてたっけ?)
どちらが善い悪いではなく、互いの存在価値をかけた古畑張りの
だまし合い(主義主張)に持ち込んだマヒロの狡猾さが素晴らしい。

二巻もさっそく読むことにしよう。

ミスマルカ興国物語〈1〉 (角川スニーカー文庫)

ミスマルカ興国物語〈1〉 (角川スニーカー文庫)

「☆アラベスク」。明治から昭和を生きた天文文学の第一人者、野尻抱影のコラムをまとめたもの。稲垣足穂を読んでたら、名前が出てきて「そのうち」と思ってたら、
アフタヌーンの「宙のまにまに」でも又名前が出てきて、「これは読まねば」と
一念発起。図書館で五冊ほど借りてくることに。

生まれる前の作品だったから、多少読みにくいことはあるが
優美で流麗ながら、けっして華美ではない素朴な文章に、
親しみを感じて読めた。
ただし、星座の位置を把握してないので、星の名前が出るたびに
星図を引き直さなければならなかったので時間はかかった。

星好きでまだ読んだことない人に読んでもらいたい作品です。