ラノベ部2 ネタばれあり

生徒会の一存」の如く、まったりトークが売りの日常淡々系小説。

それにしても、龍之介の立ち位置は面白い。

幼馴染みに恋している体で話を進めておきながら、実は既に玉砕していたなんて……。
完全にしてやられた。

そんな龍之介の玉砕エピソードで幕を閉じる「ラノベ部はじめて物語」は、
ライトノベルにありがちな突拍子もないエピソードもなく、普通に部活申請をして、
普通に部員を集めて、普通にラノベ部ができあがるまでを描いたものだ。

出会ったころから相変わらずな4人の多少のぎこちなさと現在の砕け具合を比べながら読んでいたのだが、微妙なよそよそしさが自分的に面白かった。

暦いいですな。無表情でポツリとつぶやいて、周囲をおびえさせる「幽霊」の章や「妹がこんなに可愛いわけがない」での葛藤は、誰よりも現実にいそうなリアル10代を感じさせて一番親しみがもてる。

2巻まで読んで、自分は暦の言いたいことをなかなか言えない内気さに10代の頃の自分と重ね、共感してしまった。今ほど上手く喋れなかったあの頃の自分と暦の違い。
それは、本を読んで悶々としてただけの自分に対して、小説という表現手段を持っていた暦。


あのときの自分に言いたい。さあ、10年後はツンデレが流行る!
早く書いて、時代を先取りするのだ!

ラノベ部〈2〉 (MF文庫J)

ラノベ部〈2〉 (MF文庫J)