原点回帰ウォーカーズ

ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート」以来、注目している森田季節の作品。

何度も繰り返される山崎毅の死とそれを防ぐ為に、毅の死をフィクションにするアキラ達。
このきりがないイタチごっこにどうやって終止符を打つのか。

同じ時間を繰り返すタイムリープもので、単に一日をやり直すのではなく、3奇人の力を借りて、毅の死をフィクションにしてしまう設定なのだが、後半はいきなり9回目になってしまいその設定(3奇人達)があんまり生きてないのが残念。

最初のインパクトは強かったが、やはり十哲もちょっと物足りなさを感じた。でも、一巻ということでは顔見せ程度にしかならないのは仕方ないか。一遍に10人出しちゃうから、印象が薄くなったような気がする。

物語は、講談社ノベルズにありそうなテイストだった。世界をフィクションに例えることで起こるタイムリープメタフィクションものに通じる。

自分はこの人の文章が好きなので好意的に読めたが、
物語を俯瞰してみると、ただ物語を追っかけることに終始しているように感じた。

でも最初と最後の詩がアキラの心情(作品の主題?)を総括していることを考えると、これでいいのかな?とも考えてしまう。

正直、前回と180°違う雰囲気のため、正直、どう書いてよいか迷ってしまったのが本音で、先入観なしで読めたとしたら、全然違う感想になっただろう。

本当の評価は2巻を読んでからにしよう。

逃げかな?

原点回帰ウォーカーズ (MF文庫J)

原点回帰ウォーカーズ (MF文庫J)