神様家族8
7巻で本編は終わっていて、今回は様太郎の親友?進一と愛ちゃんの「BOY’S BE…」的物語かと思いきや、合間に様太郎たちの幼稚園時代も描かれてたり、意外と盛りだくさん。
お互いの物語が交互に展開される形式なので、最初は読みにくいかと思ったが、それもすべてはラストへの伏線なのね。
これまで、おバカキャラまっしぐらの進一が、まだまだ子供な自分にモヤモヤしながら悩んでる様子を一蹴したキュウタに喝采。
≪「大人になるまで吸っちゃいけないタバコを吸うことが大人なんじゃなくて、大人になるまで我慢できるってことが大人なんだぜ」≫
自分も「なるほど」とうなずいてしまった。
キュウタのくせに生意気な。
その答えがこれ
≪言おうか言うまいか散々悩んだあげく、進一は思い切って言った。
「俺、愛ちゃんのこと幸せにするつもりだから」
「へ?」
「いや、その、そんだけ……」
「なに言ってるの?」
愛は驚いたような顔をした。しまった、と進一は思う。ちょっと急な発言だったかもしれない。それに、自分はそんなことを言うタイプじゃない。もう少し明るく、ふざけた感じで言った方がよかっただろうか。あるいは、こんなことを言うのはまだ早かったか。後悔により混乱し、そして思考停止している彼に、愛が腕を絡めた。
「なに言ってるの?もう、とっくに幸せだよ」≫
かーっ、こんなお話だったっけ?「神様家族」って。
正直、読んでて赤面しちゃうシーンが他にもあるんですよね。
ラストが最高!二人の世界が完全に出来上がっちゃってるんだけど、ゆる〜い感じで、読んでて自然と笑顔になってしまいました。もちろん、「にやにや」とかじゃなくて、「ほほえみ〜」の方ですよ。お上品な笑顔。お間違いなく。
幼稚園編も、勿論面白い。ていうか、こっちが本編のテイストに近いです。こちらは、相変わらすな神山家の面々といったところでしょうか。
- 作者: 桑島由一,ヤスダタダヒト
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2006/04
- メディア: 文庫
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