ダンタリアンの書架4  漫画力 大学でマンガ始めました

久しぶりに本を読んだ。
あれですね。サラリーマンってこんなに忙しかったのかと衝撃を受けているところです。

で、「ダンタリアン」ですが、これは、もう大きなどんでん返しとかなく、安定した語りで楽しめました。連作短編なのでさくっと読めて、教訓めいた内容も混じっているので、自分の中では絵本的ポジションとしてのんびり読んでおりました。相変わらず傲岸不遜だけど、愛くるしいダリアンと、飄々と彼女に付き合うヒューイのコンビはもう刺身のツマですね。あくまで主人公は、依頼人だったり、巻き込まれた知り合いだったり…。二人を媒介にして物語は多種多様な顔を見せてくれます。それがこの作品の面白さだと思います。

今回、一番のお気に入りは、「匂い」 に関するお話。最初から最後まで二人が物語の根幹に関われず、意図せず観察者となってしまったことに対しての彼らが感じる無力感や切なさが自分の心に響くものがありました。


ダンタリアンの書架4 (角川スニーカー文庫)

ダンタリアンの書架4 (角川スニーカー文庫)


で、「漫画力」。こちらは、京都精華大学マンガ学部についての紹介や、クリエイターや編集者を目指す方への案内、心構えを説いた本、といったところでしょうか?別に何かを目指す方でなくても同人誌やコミケの創世記のエピソードが載ってたり、竹宮恵子さんや梅佳代のゲストインタビューなどもあり、単純に読み物としても面白いです。何より、全て分かり易く噛み砕いた文章で書いてくれてるので、理解しやすいです。今後、マンガ家や編集者を目指す方には是非一読してほしい本です。

漫画力~大学でマンガ始めました (SUN MAGAZINE MOOK)

漫画力~大学でマンガ始めました (SUN MAGAZINE MOOK)