ささみさん@がんばらない2
前回、引きこもりをやめて学校に通うようになったささみ。それでも慣れない登下校は、非常に疲れるのだが…。そんなとき、ささみが兄、月読の部屋で偶然見つけたDVD[ササミ・ウィッチ・プロジェクト]そこに映された内容とは?
DVDの内容はタイトルから想像できると思いますが、分からないのはそこに至る流れ。「なぜこのDVDが撮影されたのか?」「これを観ているささみ本人は、そこで映されている自分の行動に覚えがない」など、伏線が幾つも配置され、それがさらに後半への伏線に繋がっていく。
謎が謎を呼ぶ展開、そしてささみの友達作りも少しずつ、ほんの少しずつだけど進展を見せ始め、ようやく物語が動いたように思えます。
なにしろ前回は、はっきり言って部屋から出ただけだし。
まだまだ先が見えそうで見えない「ささみさん」のがんばりに次回も期待。
≪「とりあえず,『可哀想な子』だと思われていたら、いつまで経ってもみんなと打ち解けられないから―まずは、かがみあたりと友達になって、笑ったりお喋りしたりするの!そ うして、『ふつうの高校生活』の練習がてらわたしのイメージを『分かる狗よく笑う子』 みたいにして、みんなが遠慮なく話しかけられるような女の子になるの!」
「迂遠なうえに、かがみ『あたり』というのがびみょうに引っかかるのですが」≫
がんばるけど、その方向性が違うささみさんがやはり可愛い。これからもこの間違ったがんばりを見せてほしい。
≪愛のちからは、あらゆる悪意をはねのけて、奇跡を起こすのだ。
「おにい……ちゃん……」
わたしは何度か瞬きし、目の前で人間というよりなめくじみたいなポーズでうねうねしているお兄ちゃんを見つめると、大粒の涙を零した。≫
兄と妹の感動の再会のはずなのに、なぜか滑稽な映像が浮かんでくるこのシーンが頭から離れなかった。この場面に至る経緯を楽しんで読んでもらえれば幸いです。
- 作者: 日日日,左
- 出版社/メーカー: 小学館
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