偽物語 上
やっと読むことができた。周りからしたら「いまさら」感が強い作品ですが、面白かった。
良くできた寸止め恋愛ゲームを読んでいるような感覚でした。それぞれのキャラと何か起こりそうだけど、すれすれのところで何も起こらないドキドキ感とひたぎさんのうろたえっぷりが笑えました。
初登場のファイアーシスターズ、火憐と月火は顔見せ感が強かったせいか、あまり活躍できてなかったのが少々残念。ま、主人公は暦だし、そこはしょうがないか。
この作品は各キャラ同士のアドリブのような絶妙な掛け合いが見どころだから、ぶっちゃけ物語の筋は何でもありだと。今回は、冒頭で暦が拉致監禁されるところから始まるのですが、それも読み進めてみればシリアスな話なんだけど「ぷぷぷ」と苦笑してしまうような掛け合いに不謹慎ながらも楽しんでしまいました。
≪「心配しないで。私、阿良々木君のオムツなら替えられるわ」≫
これで笑える人は、もう普通じゃありません。
≪「今回は、僕の格好いいところを見せてやる。惚れないように気をつけるんだな。近親相姦になっちまうぞ」
もう惚れてる、と火憐は言って。
「兄ちゃん。あとは、任せた」
そう続けた。
僕たちは仲の悪い兄弟らしく。
正しく、とても痛快なケンカをしたのだった。≫
半分冗談のようなボケもあれば、こんな素敵な決め台詞でワクワクさせてくれたりと、どれだけ読者を揺さぶってくれるんだ!と言いたくなるくらい面白かった。
次は下巻です。
- 作者: 西尾維新,VOFAN
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/09/02
- メディア: 単行本
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