レイセン3  傾物語

レイセン3 ワンサイドゲーム

今回は美奈子の出番も増えて、睡蓮とのヒデオの奪い合いが展開されるのかと思いきや、さらにあの姫も加わって、プライバシーゼロのリア充生活が展開されるヒデオ、のはずなのに当人は……

<どうせ殺し屋とか暗殺者とか思ってるんだろあーはいはい。>
<一万歩譲って暗殺者はまだいいと仮定しよう。
 〝慣れたのね”>

等と相変わらずのひねくれモードで、神様やら魔人やらを惹きつける始末。ですが、締めるところはきっちり締めてくれる格好よさが堪りません。

今回の一押しはやはり書き下ろしの「ロケットダイブ!!」え?HIDE?と勘違いしないようご注意下さい。これぞ林ワールド!といいたくなるようなボケと突っ込みに笑ってしまいました。

タガが外れたような突き抜けっぷりは何度読んでも楽しめます!

そう言えば、月刊スニーカーが廃刊(休刊?)に。これからどうなるのやら。やっぱりネットかな?

傾物語

<ひとりであるということは、その他大勢であることと何ら意味合いは変わらず、競争することでしか個性を有せないことがほとんどだ。
 いや、そういう意味ではナンバーワンよりもオンリーワンという主張は、あまりに正し過ぎて、だけどそれゆえにあまりに救いがないと言うべきなのかもしれない。
 そしてそれに次ぐ第二の疑問は、オンリーワンという孤独を、唯一無二という寂しさを、他人に勧める残酷さを、己に強要する生産さを、人は知るべきではないか、というものだ。>

上の文章を読んでからスマップの歌を聞くと「怖!」とビビってしまいます。


ここまできたか、暦&忍!と驚きの展開が立て続けに押し寄せて、終始あっけにとられてしまいました。夏休みの宿題を終わらせようとしただけなのにここまで世界が動くなんて…。いまさらながら、世界最強コンビの凄さを思い知りました。

真宵パートなはずなのに、暦&忍がほとんどだし…。ドラえもんの奥深さを改めて感じられる、藤子F不二雄先生へのオマージュもそこかしこにちりばめられた今作品は深いです。

取り返しのつかないことをした二人。一体何をしたのか、本編を読んで確かめて下さい。

ちなみに、ミスドのドーナツ食い逃げではありません。


<「あなたの名前を教えてもらっても、構わないでしょうか」
 
 「八九寺真宵さんだけど」>

本編はここに尽きる!ここを読んで正直、涙がこぼれてしまいました。

涙と笑いの感動作、なんてベタなフレーズですが、それがハマる!
一度と言わず、二度三度と読み返したくなる作品です。


傾物語 (講談社BOX)

傾物語 (講談社BOX)