さくら荘のペットな彼女5、6
<「空太」
と少し厳しい口調で名を呼んできた。
「な、なんだよ」
やはり、女子を三人も連れてくるのは非常識だといわれるんだろうか。そうだとすると、ちょっと面倒くさいかもしれない。変なところで頑固な父親なのだ。
警戒して身構える。そんな空太に向かって父親は、
「俺は一夫多妻制を認めた覚えはないぞ」
と大真面目な顔で言ってきた。
「あんたが認めるまでもなく国が認めてねぇ!」>
<「ひとつ、人生の教訓をお前に話しておこう」
「なんでしょうか?」
「チャンスは人を待ってくれない。自分の準備が整ってないからと言い訳をして、目の前のチャンスを見逃していると、次のチャンスなど決して訪れはしないぞ」
「出来ればその話は、お互い服を着ているときにして欲しかったよ」>
空太と父との一幕。
年末年始に帰省する空太に寄生して福岡へとついてきたましろ、七海、みさき。ツッコミ役の空太がどうやって育てられたのか、この両親、妹にあってこの男あり、と納得の五巻。とはいっても、ゲームコンペや七海のオーディション、バレンタインと次から次へとイベントがひっきりなしに続いて行く。しかし、自分は番外的な帰省編が面白さでいえば一番だと思いました。
ていうか、これは六巻への布石ともいうべき巻であるように感じたので次巻へ。
<「千尋ちゃんがいて、仁がいて、ドラゴンがいて、こーはいくんがいる。それだけでも幸せすぎてこわいくらいだったのに、三年目には、ましろんが来てくれました。夏にはななみんまで来てくれました」>
で、六巻。さくら荘取り壊しに反対する一同の頑張りを読んでて切なくなり、さらにはコンペやオーディションの結果まで発表されていくので、怒涛の展開に心揺さぶられちゃいました。どうなったかは読んでのお楽しみということで。
ここではみさきの心の訴えを。いつもおちゃらけてる彼女の真摯な言葉は胸にグサリと突き刺さる。さくら荘最大の危機をどうやって乗り越えるのか?そこが今回の読みどころ。
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