ベン・トー9 香り豊かな欧風カレー弁当すぺしゃる

<「……あ。……ねぇ佐藤、最後に一つだけ言わせてくれない?」
いきなりシリアスな声になった著莪に緩んでいた僕の顔が一瞬で素に戻る。何か重大なことを言われる、そんな予感がし……。
『ロリはやめとけ』
そして、笑い声が聞こえたあと、電話は一方的に切れた。

――あたしが……必ず、佐藤さんをお弁当の所まで連れていってあげます。
真希乃が言ってくれた言葉……。その約束は、今、果たされたのだ。
彼女への感謝を最後に雑念が飛ぶ。ただ、これを喰いたいとする鋼のように硬く、溶けた鉄のように熱い決意だけが、僕の中に残ったのだった。>


振り幅が半端ない!どんどんR-18に近づいて発禁になるのでは!?と危惧させる一方で半額弁当争奪戦は激化!読むほどにグイグイのめり込んでしまう!かつてのHP同好会OB・秋鹿が繰り出す技の応酬に蹂躙される佐藤たちが乗り越えて半額弁当を手にするさまは熱くならずにいられません。しかし、その後の食事が一番の読みどころ!あれほど美味しそうに書かれてしまうと読んだそばからよだれが…。今日はカレーに決定です!

それにしても…。このままどんどん茉莉花の出番が増えてくると、先輩の出番が…。

やはり俺の青春ラブコメは間違っている。

<「なあ、雪ノ下。なら、俺が友」
「ごめんなさい。それは無理」
「え……まだ最後まで言ってないのに…」
雪ノ下は断固拒絶してきやがった。それどころか「うへぇ……」みたいな顔してるし。
やっぱこいつ全然可愛くねーわ。ラブコメとか爆発しろ。>


全然興味は無かったのですが、6巻の表紙がツボにはまったので手を出してしまいました
どっかで聞いたような感はありましたがうまくまとまっていてわかりやすかったです。こういう一人称作品は独りよがりになりがちで読者をおいてけぼりにすることがままあるのですが、これはそういったものを感じさせず面白かったです。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (ガガガ文庫)

これはゾンビですか?8 はい、キスしてごめんなさい

〈「で、マイダーリンは何をしにきたのだ?」
「ん?ちょっと道に迷ってな。お前は何のキャラクターなんだ?」
「うむ。『魔法新選組少女・沖田』の永倉だ」
誰やねん。〉


毎回安定したおもしろさなのだが、ちょっとマンネリ化しているような気がしないでもない。だが逆にそれを楽しむ、いわばサザエさんスタイルが確立しつつあるようにも感じるので、安心して読める。
今回は、冬の祭典コミケを皮切りに魔装少女のトップ、ヴィリエの女王がやって来ることで自体は一気にシリアス、かと思いきやところどころに挟まれる笑いが重さを感じさせず軽いテンションで楽しめた。

なんだかんだいって、やっぱり面白いからついつい読んでしまう。
衝撃のラストはどうなるのか、次回に期待!

これはゾンビですか?8 DVD付限定版 はい、キスしてごめんなさい

これはゾンビですか?8 DVD付限定版 はい、キスしてごめんなさい

ゴールデンタイム4 裏腹なるdon’t look back

「おはよう多田くん、恋人がいるのに違う人と部屋で二人きりなんて、これって完璧に、もう一度言ってあげるけど、浮気だよ?」
どうしよう――薔薇女王が、お怒りだ。万里の危うい脳内に流れるBGMは迷いなく一択、ダースベイダーのテーマ。あなたC-3POなのにキャラと曲が合ってないじゃん、なんて笑えもしない。


言わずもがなのゆゆこ節が満載で流れるようにスラスラと読めます。安心のおもしろさ。万里の心の揺れや香子の一途すぎるがゆえの暴走など、若さゆえの無謀さがときにコミカルにときにシリアスに描かれた世界観にいつしか引き込まれ、自分も登場人物になったかのように感じてしまいました。
自分が体験してみたかった青春時代。それがお手軽に感じられる良作だと思います。

覇道鋼鉄テッカイオー2

〈「のぉ、ミャウよ。カザンとルゥラン、あの二人はまこと、愛し合っておったなぁ」
「え、ええ」
「自分より幸せそうなカップルなど、気に入らぬと思わぬか?そんな連中に嫉妬しているだけで……自分が幸せになれるかね?男が欲しいなら無理やりにでもモノにせよ」〉


激熱の展開に燃えた前回同様、テンション上がる面白さでした。暗黒武侠の幹部・ミャウ・ガーの登場でカザンを巡る恋のさや当てがますます盛り上がるのでは、と思ったがそれは次巻以降のお楽しみに。本編は一巻にもあった精神爆弾の信管になって無残の死を遂げた少女の弔いに親族をさがすところから始まり…。
内容はスーパーロボットものが好きな方なら文句なしだと思います。美少女、巨大ロボット、熱血、これが揃えば何もいりません!と言わんばかりに楽しめます。
一巻を読んでないと、基本設定その他が少々わかりにくいかもしれませんので、興味のある方は最初から読んだほうがいいかと思われます。

俺の妹がこんなに可愛いわけがない10

〈「あーやだやだ、やっぱ俺、勉強とか嫌いだわ」
 成績いいやつはちがうのかねえ、桐乃はどんな気持ちで勉強してんだろ。
 「ちょっとメールでもしてみっか」
 思い立った俺は、携帯で妹にメールを送ってみた。
 「お兄ちゃん今日いっぱい勉強したよ!」
 送信、と。
 ………………待つこと数十秒。返信はすぐにきた。
 「ウザい!キモい!」
 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
 「ったく、この妹は、もうちっと温かなコミュニケーションというものができねぇのか」
 せっかく俺があえてフレンドリーなメールを送っているというのに。〉


故あって一人暮らしをすることになった京介。彼の世話を巡る女性陣たちの火花散る争い。
いやもう、なんていうか最初の頃の微妙な緊張感がどこへいったのやら。誰とのルートを辿るのか全く読めません。ラストのどんでん返しにはやられました。

11巻は少し前のお話ということで「おれ妹ゼロ」いわゆるスピンオフ?ですかね。

もうすぐ終わりなので、どんなラストか楽しみにしてます。

IS(インフィニットストラトス)6,7

< 前に日本の風習で指切りげんまんを覚えてからというもの、シャルは妙にこれがお気に 入りらしい。俺と下別段断る理由もないので、毎回こうして指切りげんまんに付き合って いるわけだが。
 「指切りげんまん、ウソついたらクラスター爆弾のーますっ♪」>

<「私は勝つ!勝って、完全に一夏を私のモノにしてみせる!」
 立ち上がり、ぐぐぐっと拳を握りしめるラウラ。その目にはもう迷いなど無い。
 (そうだ、見ていろ一夏!)
 キッとロッカーの中の写真を睨む。
 ―あ。
 改めてみると、写真の一夏の額に思いっきりナイフが突き刺さっている。

              中略

 「衛生兵!衛生兵〜〜〜〜!」
 その目がわずかに涙目になっていたのは、気のせいではないだろう。>


6、7巻のお気に入りミニエピソードがこれでしょうか。
ていうか、もう恋愛ゲームばりに各キャラを順繰りに回って最後はバトル、
の流れがテンプレ化しちゃってる印象。

面白いは面白いし、キャラもそれぞれ可愛らしいから楽しめるんだけども。
印象に残るのは各ヒロインのやきもき具合ですね。

なんだか、発売中止になっちゃってるみたいだし。事情はよく分からないけど
どこかで続きが再開されるのを楽しみにしています。

IS〈インフィニット・ストラトス〉 6 (MF文庫J)

IS〈インフィニット・ストラトス〉 6 (MF文庫J)

IS〈インフィニット・ストラトス〉 7 (MF文庫 J ゆ)

IS〈インフィニット・ストラトス〉 7 (MF文庫 J ゆ)